更新日:2021.8.22/公開日:2017.3.10
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。
スキャナ付きフラクショナルモード搭載炭酸ガスレーザーCO2RE(コア)
炭酸ガス(CO2)レーザー 炭酸ガスレーザーは、炭酸ガスを発振物質としたもので、10600nmの波長をもち、水に吸収されやすい性質を持っています。皮膚に照射すると、皮膚組織内の水分に吸収されて熱を生じ、一瞬のうちに組織を気化蒸散させてしまいます。また、スキャナ付きの器械では、あらかじめ設定された大きさ、形状で均一の深さに照射して組織を蒸散することができます。これをレーザーアブレージョンといいます。当院では、組織にダメージを与えにくいスーパーパルス機能付きレーザーLESAC CO2-25とスキャナ付きフラクショナルモード搭載炭酸ガスレーザーCO2RE(コア)を使用しています。
主な治療対象・適応疾患
色素性母斑(ほくろ)※
尋常性疣贅(イボ)※
脂漏性角化症※
スキャナ付き フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コアです。コンピューターに制御された、“フラクショナルモード”と“スキャナーモード”の2つの機能を合わせ持っています。
1)フラクショナルモードは、毛穴の開きの改善に効果があります。 フラクショナルとは「断片の、端数の、わずかの」という意味で、レーザーでほんの少しだけ皮膚に穴を開け、治癒によって肌を再生させる治療です。ちょうど生け花の剣山を皮膚に押し当てて穴をあけたイメージです。
面状に皮膚を浅く蒸散させた場合は、皮膚は傷を残さずに上皮化(皮膚が修復されること)されます。
しかし、面状に皮膚を深く蒸散させた場合、皮膚は周囲の損傷していない部分から上皮化し、瘢痕を残すことになります。
フラクショナル状に皮膚を蒸散させた場合は、小さく点状の蒸散させた部分は、深くても周囲の正常皮膚から早期に瘢痕を残すことなく治癒するわけです。
フラクショナルレーザーでの治療では深部まで熱作用を生じさせて、皮膚を傷を残すことなく入れ替えることができます。
スキャナ付き フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コアでは図の様に4通りのフラクショナルモードがあり、パターンにより様々な治療に使い分けができます。
上図の左端の照射です。大きさ、密度を自由に変えることができます。目じりの小じわ、フェースアップに使います。
2)スキャナーモードは、皮膚を均一にけずることが可能です。通常の炭酸ガスレーザーは手元で調整して削るので、正確に均一に削ることができません。均一に削ることで傷の治りを早くして、傷痕の残りを最小限にすることができます。削る深さも自在の調節できます。
色素性母斑(ほくろ)、尋常性疣贅(イボ)、脂漏性角化症の治療に使います。
このように、形、大きさ、深さを自由に変えることができます。
治療例:スキャナ付き フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コア