更新日:2023.10.01/公開日:2023.9.10
こちらのコンテンツは、院長の豊福一朋が自身のこれまでの研究ならびに経験、関連書籍、学術報告などをもとに独自に作成したものです。将来において当院における治療方法、治療後の処置、使用機器、治療の流れなどについて内容が変更となる可能性があります。院長の経歴はこちらをご覧ください。
- RFとマイクロニードル技術を利用した『ポテンツァ』の基本的な治療法
- 『ポテンツァ』の特徴と美肌治療としての強み
- ニキビ跡・毛穴・小ジワ・肝斑の改善における両者の効果とリスク
- どちらが自分の肌トラブルに適しているか
- 1回あたりの料金と税込価格
- 施術の料金に影響を与える要素
- 効果が出る平均的な施術回数
- 施術回数の調整方法
- 皮脂の抑制と肌の健康維持
- ポテンツァによるニキビ改善効果
- 予約受付
- 施術前の準備から施術後のケアまで
- ダウンタイムの期間とその間の注意点
- ポテンツァ施術の副作用とその対処方法
- ポテンツァによる美肌治療の症例写真とその解説
- 施術を受ける前後のスキンケア
- 施術間隔とその理由
- ポテンツァの美肌治療への期待とその理由
- ポテンツァを選ぶべき理由とその効果
1.『ポテンツァ』の概要と美肌への効果
RFとマイクロニードル技術を利用した『ポテンツァ』の基本的な治療法
ポテンツァはマイクロニードルRF(高周波)治療器です。
ポテンツァの基本的な治療法はマイクロニードルという微細な針を皮下へ穿刺し、針先からRF(高周波)エネルギーを照射することで、表皮に熱損傷を起こすことなく皮下の真皮層に直接熱エネルギーを与えます。
ダーマペンとRF(高周波)治療の双方を兼ね備えた治療器となります。
ニキビ跡・毛穴・小ジワ・肝斑には真皮層の状態が関わってきます。真皮層を治療して真皮層の状況は良くすることでこれらの状態は改善させることが可能です。
美肌治療の原理
美肌治療では使用する薬剤、デバイス(機器)が皮膚のどの層に作用するかで効果が変わってきます。
皮膚の層は外側から表皮、真皮、脂肪組織となります。このほか、毛包、皮脂腺などの付属器も治療の対象となる場合があります。
表皮に作用する治療の美肌原理
表皮は皮膚のもっとも外層です。厚さは0.2mmです。表皮をターゲットとして施術はケミカルピーリング、メカニカルピーリング、浅いダーマペン、ダーマローラーなどがあります。
真皮に作用する治療の美肌原理
表皮の下にある真皮は皮膚のハリ、キメ、小じわに関係する部位です。真皮をターゲットとして施術は深いダーマペン、ダーマローラーなどのマイクロニードルを使った施術、ポテンツァ、シルファームなどのマイクロニードルにRF(高周波)を併用した治療、RF、フォトフェイシャルなどのIPL、ほとんどのレーザー機器などがあります。
物理的に穴を空けて、創傷治癒の過程でコラーゲン、エラスチンの産生を促すのはダーマペン、ダーマローラーです。
多くのデバイス(機器)は真皮に熱を与え、たんぱく質に熱凝固をおこします。熱凝固は修復可能な皮膚の損傷で、すぐに創傷治癒がおこります。熱凝固したこれらのタンパク質はからだに分解吸収される一方で、線維芽細胞からは新しいコラーゲン、エラスチン、基質(ヒアルロン酸など)といった細胞外マトリックスが産生され組織は修復されます。またその過程で古い細胞外マトリックスが新しいものと入れ替わります。これら一連の過程をリモデリング(再構成)と呼びます。リモデリングにより、肌質改善、毛穴、シワ、肌のハリの改善、タイトニングの効果がでます。
『ポテンツァ』の特徴と美肌治療としての強み
ポテンツァはダーマペンとRF(高周波)治療の双方の機能を持つのが強みです。それぞれはどんな機能を持つの説明します。
ダーマペンの作用機序
ダーマペンは大きな機器を使わない手軽な美容治療で、クリニックで広く行われている治療です。
皮膚に細い針(マイクロニードル)を刺すことで、微細な傷を多数つくります。修復可能な皮膚の損傷です。
修復過程で真皮の線維芽細胞は刺激され、コラーゲン、エラスチン、基質(ヒアルロン酸など)といった細胞外マトリックスの産生を促します(リモデリング)。
ダーマペンの場合、針で浅い傷をつけるだけなので、繰り返しの治療でリモデリングがおこります。
RF(高周波)治療の作用機序
RF(高周波)とは何か
RF(高周波)はRadio Frequencyの略で直訳するとラジオ波です。光の波長を持つレーザーはメラニン、酸化へモグロビン、水などによって吸収に差があり、これがシミなどの色素性病変、毛細血管拡張症などの血管病変に使用される理由です。
RF(高周波)は皮下に照射すると、メラニン、血管関係なく組織をあたためる性質があります。たとえば、電子レンジとおなじような作用です。ちなみに電子レンジに使われるマイクロ波も電波です。RFより周波数が高い電波です(下図ではRFより左側にある)。
このRF(高周波)を電極を用いて皮膚に流すと、RF(高周波)が流れた部位には熱が発生し、タンパク質は熱凝固を起こします。熱凝固は修復可能な皮膚の損傷で、すぐに創傷治癒がおこります。
創傷治癒過程では、真皮の線維芽細胞が活性化されて、新しくコラーゲン、エラスチン、基質(ヒアルロン酸など)の細胞外マトリックスの産生を開始すると同時に、熱凝固で変性した古いコラーゲンやエラスチンは吸収されて真皮からなくなります。古い細胞外マトリックスは新しく産生されたものと置き換わっていきます(リモデリング)。
リモデリングの結果、真皮の弾性が増加します。
ポテンツァはダーマペンとRF(高周波治療)の両方の効果を持つ
ポテンツァでは細い針(ニードル)で皮膚を穿刺するとすぐにRF(高周波)が流れます。ダーマペンとRF(高周波)の双方の効果を1度の治療で得ることができます。
効果としてはポテンツァ1回がダーマペン5回分に相当するといわれています。
ポテンツァの特徴(多様なチップ)
ポテンツァは、ダーマペンとRF(高周波)の両方の治療を同時におこなえますが、これを可能にしているのが多様なチップです。
このチップはポテンツァのハンドピース(機器の先端部分で医師や看護師の術者が操作する部分)につけるものです。
下の図のように実にさまざまなチップがあり、それぞれが用途に応じて取り換えられて治療に使われます。
ニキビ治療。ニキビ跡のクレーター状の陥凹、毛穴、小じわの改善、美肌(リジュビネーション)にそれぞれに最適なチップが選ばれます。
これがポテンツァの美肌治療器としての強みです。
2.ポテンツァとダーマペンの比較
ニキビ跡・毛穴・小ジワ・肝斑の改善における両者の効果とリスク
ポテンツァで特に効果があるニキビ跡・毛穴・小ジワ・肝斑の改善において、ポテンツァとダーマペンの効果とリスクを表にしてみました。
ポテンツァ | ダーマペン | |
薬剤の浸透 | 独自のドラッグデリバリーにより浸透性高い | 針穴からの自然浸透で浸透性低い |
治療後の出血 | 高周波による止血効果があるので出血しない | かならず出血する |
治療部位の 最大の深さ |
ドラッグデリバリー使用時2.5mmまで 非使用時4.0mmまで |
2.5mm程度まで (それ以上では出血が強い) |
痛み | 痛みががあるので麻酔クリームが必要 | 痛み軽度 |
ダウンタイム | 0-2日 | 約1週間 |
治療のムラ | 手技ムラは少ない | 手技でムラがでやすい |
費用 | 高価は費用設定が多い | 安価 |
ドラッグデリバリー
ドラッグデリバリーとは、目的の部位に薬剤を届けるシステムです。
ポテンツァには治療目的に合わせた様々なチップがありますが、「ポンピングチップ」はドラッグデリバリー機能をもっていて、肌に空けた穴から薬剤をしっかりと均一に肌内部(真皮層)に浸透させることができます。
ニードル穿刺とRF照射による傷治癒で線維芽細胞が活性化してコラーゲン、エラスチンが増加する効果に加えて、薬剤の浸透による相乗効果が期待できます。
マックーム
マックームはポテンツァ用に開発された薬剤です。
主成分はPLLA(ポリ乳酸)でコラーゲンを生成する作用があります。PLLAは、「溶けるコラーゲン」とも呼ばれスレッドリフト(糸リフト)で使用されす吸収性の糸、皮膚の陥没治療の注射薬として使用されているものです。
ポテンツァではマイクロニードルで開けた皮膚の穴から真皮に注入され、コラーゲンの産生を促します。
ニキビ跡の治療、毛穴改善に使います。
マックームは時間が経てば体内で自然分解され、安全性が高い薬剤です。
どちらが自分の肌トラブルに適しているか
ポテンツァとダーマペン、どちらが適しているかについてまとめてみました。
ポテンツァが適している方
- ニキビ跡を改善したい
- ニキビを治したい
- 皮脂を抑制したい
- 肌質や毛穴、小じわを改善したい
- 肝斑を改善したい
ポテンツァ適応症例
ダーマペンが適している方
- ニキビ跡を改善したい
- 肌質や毛穴、小じわを改善したい
3.ポテンツァの料金
1回あたりの料金と税込価格
料金はこちらをご覧ください。
施術の料金に影響を与える要素
料金決定をどのようにおこなうか
ポテンツァの治療の料金を比べると、クリニックによって実にさまざまです。
料金の決定に関係あるのは次にような項目だと思います。
- チップの価格
- 施術が医師なのか看護師なのか
- ドラッグデリバリーに使う薬剤のコスト
- 併用する治療方法
- クリニックの立地
チップの価格
ポテンツァのチップは一人1回しか使えない消耗品です。使いまわしはできません。したがって、コストは高くなります。マイクロニードルのチップではメーカーでは2000ショット使うことが可能といわれています。しかし、実際は1500ショット前後で針の先端の切れが鈍り、肌の痛みが強くなります。1500ショットだど顏、頸部の治療まで行けそうです。部分の照射の場合、たとえば300ショットでおわる治療でも、チップは1回きりの使用です。これが、狭い部分の治療でも価格が安くならない理由です。
施術が医師なのか看護師なのか
ポテンツァの施術を医師がおこなうか看護師がおこなうかで価格は大きく違ってきます。よほどの大手のチェーンクリニックである以外、普通はクリニックに勤務する医師は一人、あるいは二人です。医師が施術をおこなえば料金は高くなりますね。では、医師と看護師、どちらの施術がよいのでしょうか。答えは皮膚を扱いなれていればどちらでもよいです。医師だからなんでもうまいことはありまえせん。医師が一人か二人のクリニックで、レーザー治療、医療レーザー脱毛、フォトフェイシャルなどのIPL治療、ポテンツァなどの治療、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、スレッドなど全部おこなっているところはないと思います。まず、マンパワー的に無理です。例えば私はフォトフェイシャルなどのIPL治療や医療レーザー脱毛などは看護師にお願いしています。看護師はこららの施術をずっとおこなっているので私より扱いがうまいプロです。治療での細かい反応にも気づくし、対処も適格です。やり慣れた人がおこなうのが大切と思っています。そのような術者が施術をおこなったほうが当然結果はよくなります。
ドラッグデリバリーに使う薬剤のコスト
ポテンツァではドラッグデリバリーを備えた優れた治療器です。肌の状況、病態においていろいろな薬剤をマイクロニードルを刺した部位から注入できます。この薬剤のコストが料金に反映されます。
併用する治療方法
ポテンツァはハイフ(HIFU)との併用も可能だし、治療での相性がよいとされています。ポテンツァは皮膚の比較的浅い層を治療しますが、筋膜や脂肪層の治療は適していません。顔のリフトアップには顔のSMAS筋膜(皮下組織と表情筋の間にあり、顔の皮膚構造を支える土台となる膜)は皮下の脂肪組織へのアプローチも重要です。お互いの弱点を補える関係にあるからです。実際、ポテンツァはハイフをはじめさまざまな治療と組み合わされています。その場合、料金は高くなります。ネットでは「〇〇式治療法」(○○にはドクターやクリニックのな前が入ります)と称してあたかも、その医師、クリニック独自に方法として高い料金が設定されいるのを見ます。実際は、クリニックで普通に使われているほかの機器、施術との併用だったりします。
クリニックの立地
クリニックの立地は料金に反映されると思います。銀座などの一等地は家賃も高田馬場の1.5~2倍だったります。
※料金からはわかりませんが、ショット数はとても大切です。また、ポテンツァに必要な麻酔クリームの料金が別料金になっていないかなど気を付ける必要があります。
4.ポテンツァの施術回数
効果が出る平均的な施術回数
施術頻度 | 効果を実感しやすい施術回数 | |
ニキビ | 4~6週間に1回 | 1~3回 |
ニキビ跡 | 4〜6週間に1回 | 3~5回 |
毛穴 | 4〜6週間に1回 | 3回以上 |
小じわ | 4〜6週間に1回 | 1回以上 |
美肌、タイトニング、肝斑 | 1か月に1回 | 1回以上 |
施術回数の調整方法
効果が持続する期間
ポテンツァの施術により皮膚真皮層のコラーゲンやエラスチンが新生し再構成されます。
再構成とは古いコラーゲンやエラスチンが施術によりダメージを受けて、新しく産生された若いコラーゲンやエラスチンに置き換わっていくことです。施術後1~3か月がこの期間となります。
肌状態や施術目的によっても異なりますが、3回ほど同じ施術を繰り返した後には、1年ほど効果が持続することもあります。
5.ポテンツァと皮脂の関係
皮脂の抑制と肌の健康維持
皮脂の分泌と機能
男性の肌は、思春期頃から皮脂の分泌量が急速に増加し、20歳後半から30歳前半にかけてピークとなります。成人では、女性と比べて皮脂分泌量が約2倍になります。その後は年齢がいっても、皮脂量はほとんど減りません。
女性の場合は成人後、20歳前半がピークとなります。年齢にともなって徐々に皮脂の分泌量が減少していきます。
皮脂は肌の健康を維持するのに重要です。下のようは働きをします。
- 外部からの皮膚の摩擦を防ぐ、紫外線を防御する。
- 皮膚の乾燥を防ぎ肌の水分量を保持する。
- 肌を弱酸性に保ち細菌の繁殖を防ぐ。
過剰な皮脂分泌のデメリット
しかし、皮脂が多いことも困ったことになりがちです。下のようは症状に困っている方は大勢いらっしゃいます。
- 肌がベタつく
- 肌がテカる
- メイクが浮く
- 毛穴が黒くなる
- 毛穴が広がる
- ニキビが増える
皮脂分泌を抑制するのに効果的な方法がある
皮脂の分泌を抑制するには、ストレスを減らす、食事で糖質を資質の摂取を抑える、生活習慣を整えるといったことがありますが、容易ではなさそうです。
しかし、諦めなくてもよいのです。機器をつかった施術で皮脂の抑制は可能です。
皮脂腺を熱を加えることで、皮膚表面を傷めずに、皮脂腺を小さくすることが可能です。
むかしから、医療レーザー脱毛をおこなうと皮膚が乾燥することはよく知られていました。これは、毛がレーザーに反応して燃焼する際に熱が皮脂腺に及んで間接的にダメージを与えた結果、皮脂腺が小さくなるからと考えられています。
ポテンツァは皮脂腺に直接熱を加えることが可能です。
ポテンツァにより皮脂減少のメカニズム
ポテンツァはマイクロニードルRF(高周波)治療器です。
皮膚にあてたチップからはたくさんのマイクロニードルが皮膚に刺さって皮内に入っていきます。
このうちいくつかのマイクロニードルは皮脂腺に直接触れるあるいは貫通することになるはずです。マイクロニードルからは刺入したつぎの瞬間、RF(高周波)が出るので、これが皮脂腺に熱を与え熱凝固をおこします。これが皮脂腺の縮小をおこします。
ポテンツァによるニキビ改善効果
ニキビの原因は皮脂腺から分泌された皮脂が剥離して角質をまざりあって、毛孔(毛穴)がつまってしまうことが原因の一つです。毛孔がつまってしまうと毛嚢内に皮脂が増えます。そしてニキビの原因となるアクネ菌が増殖します。アクネ菌は皮膚の常在細菌で通常でも毛嚢内に存在していますが、空気を嫌う菌(嫌気性菌)なので通常は毛嚢内にじっとして増えません。毛孔がつまることで毛嚢内は外気と遮断されてしまいます。この状況は空気が嫌いなアクネ菌にとって増殖に都合がよく、どんどん増えていきます。そしてニキビは悪化していくわけです。
ポテンツァは治療により皮脂腺を縮小させます。すると分泌される皮脂も減少するので、毛孔はつまりにくくなります。皮脂腺の縮小は永続するので時間が経過するともとに戻ることはありません。成人では一度縮小して皮脂腺は大きくならないからです。
ポテンツァはニキビとニキビ跡を同時に治療することになるので、ニキビが継続してできていて、ニキビ跡もある方には最適な治療です。
6.ポテンツァ施術の流れ
料金
WEB予約
「予約サイト」へいき、選択メニューボタン
から 「肌の若返り」のご相談、「ニキビ・ニキビ跡」のご相談、「毛穴の開き」のご相談 のうちご希望の診察項目を選択ください。
診察はすべてWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。
施術前の準備から施術後のケアまで
現在準備中
7.ポテンツァ施術のダウンタイムと副作用
ダウンタイムの期間とその間の注意点
出血
皮膚に針を刺せば、当然出血がおきます。血流が多い顔ではなおさらです。ダーマペンなどの従来のマイクロニードル治療では、出血は最大のダウンタイムです。
多数の針を皮膚に刺す施術方法は当然出血を伴いやすく、特に肌の深い層へのアプローチ(長い針を使用することになります)では出血頻度が高くなる傾向にありました。
現在流通しているダーマペンでは0.2mm~3.0mmまでの深さまで刺すことが可能です。深く刺せば当然出血ががおこり痛みも強くなりますから実際は0.2mm~深くても1.0mm程度の深さで用いられています。
POTENZAではドラッグデバリーなしでは深さ4.0mmまで、ドラッグデバリー併用では2.5mmまでの深さまで針を刺します。ダーマペンであれば出血が必発なです。
ポテンツァは針を刺入した際にRFを照射するので、瞬時に止血をおこない出血を抑えることができます。出血のリスクが極めて少ない治療機器です。
痛みが少ない
ポテンツァではマイクロ単位の極細の針(外径0.25mm:約32G)※を用います。
針を刺す速度と間隔、照射するRFの熱量を患者様にあわせて調整することで、より痛みに配慮した治療が可能です。
当院ではさらに局麻酔薬のクリームを使用して、痛みを緩和します。
ポテンツァ施術の副作用とその対処方法
感染
すべてのチップは滅菌されています。外部物質による細菌感染の危険があります。
施術者は施術時にプラスチック手袋を着用して施術場所を清潔にしています。
色素沈着
施術中、針が完全に穿刺されなかったり、施術後の人為的な角質除去は色素沈着を誘発することが
あります。
紅斑
施術後に紅斑が発生することがありますが、通常数時間以内に消えます。最大2日間程度続くことがあります。
毛嚢炎
毛包の熱刺激により一時的な毛嚢炎が起こることがあります。
また、毛包に加えられた熱刺激により施術直後に一時的に皮脂分泌が増加することがあります。
8.ポテンツァでの肌の改善例
ポテンツァによる美肌治療の症例写真
ここの掲載されている写真はポテンツァの販売店から提供されたらものです。左が治療前、右が治療後になります。
今後準備が整い次第、当院の症例を掲載していく予定です。
炎症性のニキビ
ニキビ跡
深いニキビ跡の陥凹
9.ポテンツァ施術の注意
施術を受ける前後のスキンケア
施術前
皮膚に炎症がある状況では施術ができません。クリニックで医療レーザー脱毛、シミ治療など皮膚になんらかの炎症がおきる施術をされた時は、治まるまで期間を置く必要があります。
炎症がある皮膚にポテンツァの施術おこなうと、さらなる炎症を引き起こすことがあります。結果、炎症後色素沈着がおきることがあります。
施術後
ポテンツァの施術当日から腫れやほてりの症状が治まるまでの期間(最大2日)は、飲酒、激しい運動、サウナなどの血流を促す行為は控えてください。
炎症を増強させてしまう可能性があります。 また、洗顔は施術後6時間控え、当日はシャワーのみ可能ですが、入浴・メイクは翌日からとなります。
施術間隔とその理由
ポテンツァの施術間隔は4~6週間です。
ポテンツァの施術により、皮膚にはマイクロニードルで微細な穴が空き、真皮はRF(高周波)で加熱されます。
皮膚にあえてダメージを与え、皮膚が回復する過程でコラーゲンやエラスチンを新しく産生することが効果発現のメカニズムです。
この過程が進行する施術後1〜3ヶ月は治療効果、肌質改善を実感しやすい期間といわれてます。
皮膚の治癒過程が完全に終了した段階で再度施術に臨むことで、皮膚を保護しさらなる効果が得られます。
10.ポテンツァによる美肌ケアのまとめ
ポテンツァの美肌治療への期待とその理由
ニードルRFは最近の技術でマイクロニードル(微細な針)をRF(高周波)を組み合わせた治療です。ニードルによる治療(ダーマペンなど)もRFはずっと以前から美容医療(美肌治療)には使われてきました。双方、効果があることがわかっています。
ポテンツァはこれ2つの治療を1回でおこなうことができるとのが画期的です。さらにドラッグデリバリー機能があり、ダーマペン後に薬物を皮膚に浸透させるよりずっと効率的に浸透させることができます。しかもダウンタイムが少ない。
肌質改善、毛穴、シワ、肌のハリの改善、タイトニングには期待できる治療機器と考えています。
ポテンツァを選ぶべき理由とその効果
じつに多種多様の機器が美容医療(美肌治療)につかわれています。機器はそれぞれに特徴があり、医師は患者様の実情にあった機器を選択しなければなりません。皮膚のリモデリングに関しては当院にもレーザーを含めたくさんの治療機器があります。
私がポテンツァを購入したのは、ダウンタイムの少なさです。購入前に私自身、デモ機で治療を受けてみましたが、たくさんのハリを刺してもまったく出血がなく、私の場合ダウンタイムは0日でした※。その後の皮膚のハリと、私の場合たるみが改善しました。そして持続時間が長かったのです。
肌質改善、毛穴、シワ、肌のハリの改善、タイトニングに対して「ダウンタイムが少ない、効果が高く継続が長い」がポテンツァを選ぶべき理由と思っています。
またニキビ跡にも良い結果を得られます。当院ではアイコン1540フラクショナルレーザーも使っていますが、これはニキビの炎症がある方には使いずらく、「ニキビ+ニキビ跡」の方には治療の唯一の選択肢とおもっています。あくまでも私見ですが。
いろいろなクリニックのホームページを見ると、ポテンツァの施術、結構なお値段です。ポテンツァは繰り返しおこなうほうがよいです。継続できるような費用に設定したつもりです。
※メーカーではダウンタイムは0~2日とされています。
ポテンツァの適用
ポテンツァが適している方は以下のような方です。
ニキビ
RF(高周波)で皮脂腺を縮小させることでニキビを改善します。皮脂腺の縮小はおそらく永久的です※。皮脂の分泌を抑制します。
※新しい機器なのでデータがありません。一般に医療レーザー脱毛では間接的に皮脂腺を熱凝固し皮脂腺の縮小は永久的です。ですから脱毛後の乾燥傾向はつづきます。ポテンツァは直接皮脂腺を熱凝固するので、「おそらく半永久的」と思っています。
ニキビ跡
ニキビ跡にはフラクショナルレーザー(炭酸ガスレーザー、アイコン1540レーザーなど)、ポテンツァ、ダーマペンがよく使われます。フラクショナル炭酸ガスレーザーはもっとも効果がありますが、炎症後色素沈着などダウンタイムが長いのが欠点です。ダウンタイムを気にされる方にはポテンツァはお勧めの選択肢です。
とくにニキビとニキビ跡が同時に存在して、両方治療する場合、ポテンツァが最適です。
ニキビ跡の治療について詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
赤ら顔
真皮層の拡張して毛細血管にRF(高周波)が効果があります。また、真皮のリモデリング効果も赤ら顔の改善に効果があるといわれています。
肌質改善、毛穴、シワ、肌のハリの改善、タイトニング
すべてRF(高周波)により真皮のリモデリング効果によります。
肝斑
肝斑の原因は皮膚の摩擦、紫外線です。化粧を念入りにする、強く洗顔する、クレンジングの時間が長いなどは皮膚に摩擦を与え肝斑の原因となります。また紫外線も肝斑の悪化要因です。これらは長いあいだの生活習慣になっていて、結果肝斑では表皮と真皮の境界部に微小な環境異常がおこっていて、サイトカインなどの生理物質がメラノサイトを活性化させていると言われています。
肝斑の治療では、おもにこれら生活習慣の改善、IPLを用いますが、難治の場合はポテンツァでの治療で効果があります。メカニズムはわかっていませんが、RF(高周波)により真皮のリモデリングが表皮と真皮の境界部の微小な環境異常を改善していると考えられています。
肝斑治療の詳細はこちらをご覧ください。
11.よくある質問とその回答
答えは「Q(質問)」をクリックすると表示されます。
Q1. 施術時間はどのくらいですか?
全顔を照射した場合30分程度です。また、頸部の照射をおこなった場合はさらに15分程度時間が追加されます。
Q2. 痛みはありますか?
治療内容やニードルの深さにより、痛みは異なります。治療前に麻酔クリームを使用し痛みを抑えます。治療後は火照っているような少々の熱感が翌日まで続きます。人によっては3~4日続く場合があります。痛みの感じ方には個人差があります。
Q3. ダウンタイムはありますか?
出血はほとんどの場合おこありません。赤身は治療後に出現しますが、1~2日でほぼ消失します。メイクは翌日から可能です。赤みはメイクをすればほとんどカバーできる程度です。マイクロクラストが形成されることがあります。ダイアモンドチップによる治療では施術直後よりメイクが可能です。
Q4. 日焼け後の肌でも施術を受けられますか?
レーザーやIPLで使用する機器から出るレーザー波や光はメラニンに特異的に反応します。sれゆえ日焼けした肌では表皮にダメージを与えるので、施術はできないことがあります。RF(高周波)はメラニン、赤血球、水といったものに選択的に吸収されず、RF(高周波)が流れる組織全体を暖めます。したがって日焼けに関係なく施術が可能です。
Q5. ポテンツァとHIFUはどちらが効果がありますか?
ポテンツァとHIFUは目的とする効果が異なり、どちらが良いという優劣はありません。ポテンツァはニードルRFといって、針を皮膚に刺入してRF(高周波)で組織を加熱します。加熱するターゲットは真皮層になります。皮膚の引き締め(タイトニング)の効果を発揮します。
一方、HIFUは顔面の引き上げ効果に優れています。HIFUは超音波を皮膚表面から照射して、目的の深さに虫眼鏡で太陽光線を1箇所に収束させるような焦点をつくり点状に熱凝固をつくっていきます。熱が収束する焦点は先端のプローブを交換することで変えることができます。顔では皮下4.5mm、3.0mm、2.0mm、1.5mmの深さに熱凝固を与えます。それぞれの深さは、顔の表在性の筋膜であるSMAS、皮下(脂肪組織)、真皮深層、真皮表層に相当します。特に皮下4.5mmでの熱凝固はSMASに無数の熱凝固をつくります。また、さらに3.0mm、2.0mmで重ね打ちすることで複数の層の熱作用を及ぼし、熱凝固→組織の収縮と再構築がおこり、顔面の引き上げ効果を発揮します。よって、効果を比べるものではないと私は考えています。
HIFU(ウルトラフォーマー3)に関してはこちらも御覧ください。
Q6. 私は60歳ですが、ポテンツァとHIFUのいずれがよいでしょうか?
歳を取るにしたがい、皮膚の構成成分に変化がおきます。コラーゲンを例にとると、若いときは熱分解性コラーゲン架橋といって熱で分解されやすい構造なのですが、加齢にともない、熱安定性交差架橋といって熱に強くなり分解されにくくなります。難しい表現になりましたが、歳を取ると若いときほどタイトニングがうまくいかないといったことが起こるのです。それゆえ、ポテンツァに代表されるRFは30歳代後半から50歳代の軽度~中程度の皮膚弛緩に最も適しているといわれています。60歳以上になると皮膚の弛緩が進むのでRFでは効果が少なくなり、治療回数が増えます。
60歳以上では、強い熱を発生させることができ、耐熱性のコラーゲンにも変性凝固させる顔面の引き上げ効果が高いHIFUがよいと私は考えています。
表層のタイトニングには1540レーザーのようなノンブレーティブ フラクショナルレーザーを使いたいと思います。
HIFU(ウルトラフォーマー3)に関してはこちらも御覧ください。
1540レーザーに関してはこちらも御覧ください。
組織温度 | 37~42℃ | 42~60℃ | 60~65℃ | 90~100℃ | 100℃以上 |
生体反応 | 生体物質の活性化 受容体刺激 タンパク分子の励起 |
加熱 | タンパク質変性 凝固 |
水分蒸発 | 炭化 気化 蒸散 |
ポテンツァの概要
診療区分 | 自由診療 | ||||||||||||||||||||||||
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治療内容 | POTENZAとは、多彩なマイクロニードルのチップを備えた、RF(高周波)治療機です。 症状に適したチップを使用し、RFを照射することで、様々なお肌の悩みにはたらきかけます。 |
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照射出力等 | 0.5~4J/c㎡ | ||||||||||||||||||||||||
治療期間及び回数 |
繰り返しの治療が望ましい。回数は疾患により異なります。 | ||||||||||||||||||||||||
施術によるリスク・副作用 | 治療直後には照射部位に発赤がでます。 治療後は一過性の炎症後色素沈着が起こることがあります。 治療部位には凸凹とした治療跡が残ることがあります。 |
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施術に要する費用 |
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未承認医薬品等であることの明示 | ポテンツァは国内未承認機器です。 | ||||||||||||||||||||||||
入手経路等の明示 | Jeisys Medical Inc.より、医師が個人輸入しております。 ※承認を受けていない医薬品・医療機器については下記のページをご確認くださいhttps://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/ |
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国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 | ||||||||||||||||||||||||
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
以下の認証を取得しております。 |
注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。
個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html