更新日:2023.10.22/公開日:2023.10.22
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。院長の経歴はこちらをご覧ください。
毛穴治療
皮脂の過剰分泌
毛穴の詰まり
加齢による皮膚の弾力性の低下
肌質による毛穴の開き
皮脂が過剰分泌に分泌されている
汚れがつまっている
皮脂腺の大きさ
ターンオーバー(皮膚の新陳代謝が悪い)
凹んだニキビ跡
生活習慣の改善
適切なスキンケアの重要性
毛穴の開きの有効な治療法(専門医による人気の治療法とその効果)
治療法詳細解説
ポテンツァによる毛穴の開き治療
1540レーザーよる毛穴の開き治療
副作用やデメリットについて
脱毛器の使用
1.毛穴の開きとは?
毛穴の開きとは、毛穴に角栓が詰まることによって毛穴が押し広げられている状態です。
角栓とは、皮脂腺から分泌された皮脂が角層から剥離した古い角質とまざりあったものです。
毛穴の開きの原因は1)皮脂の過剰分泌、2)毛穴のつまり、3)加齢による皮膚の弾力性の低下、4)肌質です。
肌トラブルの改善を目指す場合、まずは原因を知ることが大切です。そこで、ここでは毛穴の開きの主な原因を6つ紹介します。ただし、毛穴の開きは複数の原因が重なり合って引き起こされることが多く、1つの原因が解決するだけでは改善されないこともあるため注意しましょう。
皮脂の過剰分泌
毛穴の開きのもっとも大きな原因は皮脂の過剰分泌です。皮脂とはなにかご説明します。
皮脂の役割と分泌
皮脂は毛包に接している皮脂腺から産生されます。まず、毛包内に分泌され、毛包壁をつたって皮膚の表面に広がっていきます。
皮脂は汗の水分を混じって皮膚表面に皮脂膜をつくります。この皮脂膜が皮膚を覆うので、皮膚は外界の乾燥や刺激から守れます。また酸性にかたむいたpHにより皮膚で悪い最近が増殖するのを抑制しています。
分泌は気温によって変化します。気温が高くなると皮脂分泌量は増え、寒くなると分泌量は減ります。つまり夏は多く、冬は少なくなります。
皮脂腺は皮脂の成分となる糖分を血液から受け取り、皮脂に変えています。糖が脂肪に転換されるわけです。糖分の多い食事では皮脂の分泌は増えます。
皮脂腺は血中の脂肪も取り込んで、皮脂に変えます。その割合は低く、脂肪が多い食物より糖分が高い食物のほうが皮脂を増やします。
皮脂の分泌は性別年齢で異なります。女性より男性が多く、分泌のピークは女性では20歳ごろ、男性では30歳ごろになります。
年齢を重ねるうちに皮脂は減少しますが、男性の場合、高齢になっても分泌量はあまり減少しないのが特徴です。
皮脂の過剰分泌と毛穴の開き
皮脂の分泌量が過剰な肌を「脂性肌」といいます。オイリースキンとも呼ばれます。
皮脂分泌量が多い脂性肌では、皮脂腺が発達しています。形が大きくなり、これにともない毛穴が広がります。これが「毛穴の開き」に見えます。
脂性肌は男性ホルモンの分泌が活発は人に多く、遺伝的素因も関係します。皮脂腺が発達して大きくなっています。
皮脂は血中の糖から産生されるので、糖質の多い食事に影響されます。糖質の多い食事は皮脂の分泌を刺激して毛穴の開きに影響することがあります。
毛穴の詰まり(角栓)
皮脂と角栓の関係
分泌された皮脂は皮膚表面の汗とまじり、皮脂膜をつくります。皮脂の分泌量が多いと、皮脂膜は厚みをおびて、表面張力のちからで皮膚表面に広がりにくくなります。
こうなると皮脂は毛穴のなかに詰まってきます。これをコメド(面皰)といい、ニキビの始まりにもなります。
この皮脂が毛穴や皮膚表面に留まっている汚れや古い角質などが皮脂と混ざって酸化し、毛穴が黒ずんで見える原因にもなります。
角栓とは、皮脂腺から分泌された皮脂が角層から剥離した古い角質とまざりあったものです。角栓は毛穴につまって、毛穴が開いたように見える原因になります。
加齢による皮膚の弾力性の低下(帯状毛穴)
帯状毛穴、たるみ毛穴
30歳を超えると皮脂の分泌は減ってきて、皮脂腺も縮小しはじめます。30代頃からの毛穴の開きの悩みを訴える人の多くは、加齢による皮膚の弾力性が低下したためにおこる帯状毛穴、たるみ毛穴です。
帯状毛穴、たるみ毛穴では、過剰な皮脂で毛穴が開いているというよりは、お顔のたるみにともなって、頬部は下垂して毛穴が丸形から楕円形にかわったきたものです。
鼻の横の頬の毛穴が楕円形なってきて気になったら、頬骨のやや後ろ(頬骨弓といいます)を斜め後方に引き上げてみてください。これで改善するようであれば、原因は顔のたるみです。
加齢により皮膚の弾力性に低下も、帯状毛穴、たるみ毛穴の原因になりますから、たるみと皮膚のハリをよくする治療が効果があります。
肌質による毛穴の開き
乾燥肌による毛穴の開き
乾燥肌は皮脂の分泌が少ない状態です。
皮脂の分泌が少ないと、角質をうるおす皮脂膜の量が減少して、角層がはがれやすくなります。
角質がはがれて角層が薄くすると、皮膚の内側の水分がかんたんに肌から蒸発して乾燥しやくなります。
乾燥した肌では表面の凹凸が粗くなってけば立ち、毛穴が目立ちやすくなります。
脂性肌による毛穴の開き
脂性肌は皮脂の分泌が多い状態です。脂性肌では毛穴の開きが目立つのが特徴です。
皮脂の分泌は女性では20歳から30歳代にピークとなり、その後徐々に減っていきます。
男性では20歳以降皮脂の分泌は増加して、30歳ころのピークとなりますが、その後年をとっても皮脂の分泌はあまり減りません。
皮脂が多いと毛包内に貯留して毛包が拡大します。これが毛穴の開きに見えるのです。また、皮脂腺そのものも大きくなっていて、毛穴が開いた様に見えます。
2.毛穴の開きの原因とは?
皮脂が過剰分泌に分泌されている
毛穴の開きの原因は皮脂が過剰の分泌されていることが原因の一つです。
皮脂は表皮の剥がれた角質をまじりあって、油と垢がまじりあったつまり「角栓」となって毛穴をふさぎます。これが毛穴に開きとなります。
角栓ができないようにするために、皮脂の分泌が多いからといって、顔を洗いすぎるのはよくありません。皮脂を洗い流そうと1日に5回も6回も洗顔される方がいらっしゃいます。
皮膚は洗いすぎると、皮膚に自然に備わっているセラミドや天然保湿因子をいっしょに洗い流します。
結果、表皮の水分量は少なくなって乾燥します。皮膚は乾燥を感じると、内部を乾燥から守るために角質を厚くして皮膚に厚みをもたせるようになります。
角質が厚くなると毛穴はふさがれて、これに皮脂の分泌が加わり、毛穴が詰まりやすくなります。
汚れがつまっている
毛穴から分泌されて皮脂は皮膚の表面に皮脂膜という薄い油と水がまざった膜をつくります。
皮脂膜は皮膚の保護(乾燥防止や細菌からの保護)に重要なものですが、油の膜だけに欠点があります。
汚れやすいということです。空気中の微細なほこりには油に吸収されるものがあります。
皮脂が空気中のほこりや汚れ、剥がれた角質(垢)とまざりあって、毛穴につまった状態になると、汚れと毛の黒色で、毛穴が黒く目立つ原因になります。
皮脂腺の大きさ
皮脂腺の大きさが毛穴の開きと関係することもあります。
もともと、Tゾーン、特に鼻、額、頬部の皮脂腺は皮脂線が発達していて、大きい皮脂腺です。
皮脂腺が大きいと毛穴の開きが目立つことがあります。これには性別(男性の方が大きい)、年齢、個人差があります。
ターンオーバー(皮膚の新陳代謝が悪い)
皮膚ではつねに細胞が入れ替わっています。
皮膚の一番下の基底層でつくられた細胞が角層にいくまで14日間かかります。さらに角質細胞から皮膚の表面の角質になってはがれ落ちるまで14日間かかります。
皮膚の表皮は約28日周期で新しい細胞と入れ替わっています。
このターンオーバーが順調におこなわれて皮膚はなめらかで、柔らかく、光を反射して美しい肌を保ってるのです。
ストレス、ホルモンバランスの乱れ、加齢は順調なターンオーバーを乱します。
角層が厚くなったり、角層が簡単にはがれやすくなると、皮膚の表面はなめらかで、柔らかいものではなくなります。
保湿力が低下して表面がかさついたり、こわばったりという肌荒れの原因となります。毛穴が目立って見えるようになります。
凹んだニキビ跡
ニキビ跡の凹みが毛穴の開きに見える場合があります。
凹んだニキビ跡は皮下に瘢痕ができていて、治療には機器が必要になります。
凹んだニキビ跡についてはこちらをご覧ください。詳しく説明しています。
3.毛穴の開きの対策法
生活習慣の改善
ストレスとホルモンバランス
角層の状態が毛穴の開きに関係する以上、表皮のターンオーバーを正常に保つことは重要です。
ストレスの蓄積や睡眠不足、食生活の乱れなどがあると皮脂が過剰に分泌されたり、血流が悪くなり肌に十分な栄養が行き渡らなくなったりします。
さらに、睡眠不足になると、肌の再生を促す成長ホルモンの分泌量が減ります。
これらのことは皮膚のターンオーバーを狂わせて、肌荒れの原因となります。毛穴が目立って見えるようになります
食事
毛穴の開き原因となる皮脂の原料は血中の糖です。皮脂腺の皮脂細胞は血中の糖つかって皮脂の主成分の中性脂肪や飽和/不飽和脂肪酸をはじめ、さまざまな脂質をつくります。
糖質の多い食事は皮脂の分泌を増やします。分泌が多いと皮脂腺も大きくなり、双方が毛穴の開きの原因になります。
皮脂腺は血中の脂質も取り込んで皮脂を産生しますが、その比率は少ないとされています。脂肪の多い食事より糖質の多い食事のほうが、皮脂の産生を亢進させることになります。
油ものより、甘いものをまず減らすことがよいことになります。
適切なスキンケアの重要性
スキンケアの中でも特に重要で、毛穴の開きを治す効果が期待できるのが「正しい洗顔と保湿」です。
24時間365日、私たちの肌は空気中のホコリや化学物質などの汚れ、乾燥、肌に残った古い角質や雑菌などの刺激にさらされています。
そこで重要なのが、正しく洗顔することで肌の清潔を保ち、正しい保湿によって肌をきちんと保護することです。
乾燥肌
皮脂腺から分泌された皮脂は毛包壁をつたい、皮膚表面で皮膚表面の汗とまじり、皮脂膜をつくります。
皮脂膜は角質の隙間に入り込んで、角質がたやすく剥がれ落ちないようにする役割があります。
皮脂の分泌が少ないと、角層がはがれやすくなります。乾燥肌の人の肌がけば立ったように見えるのは、角質がはがれているためです。
角質が剝がれやすいと、角質のバリア機能がよわり、皮膚の内側の水分が容易に蒸散して肌はさらに乾燥します。肌の水分が不足している状態です。
水分が不足している肌は乾燥でカサつく状態になり、表面の凹凸が粗くなって毛穴が目立ちやすくなります。
日常のケアでは、皮脂膜と似たクリームを外用します。クリームは皮脂膜に似せた成分でつくられています。
脂性肌
脂性肌の人では、特に脂性が目立つのは鼻の頭です。同時に小鼻の周りにも脂性のカサブタがついていることがあります。
そして、毛穴が広がっています。毛穴の中に黒いものがある場合は、皮脂、古い角質、空気中の汚れが混じったものです。
洗顔では、よく油が落ちるオイリー肌用の洗顔料をつかいます。
日常のケアでは、皮脂やよごれを丁寧に洗い流すことです。石鹸洗顔がよいとされています。
化粧品としては油分の少ないさっぱりとした乳液をつかいます。クリームは使いません。
敏感肌
敏感肌は、外的な刺激に皮膚が過敏になった状態です。毛穴の目立ちとは関係なく、ストレスの蓄積や睡眠不足、食生活の乱れなどで外的な刺激に敏感になっている可能性があります。
たとえば、睡眠不足では、皮膚の再生を促す成長ホルモンの分泌量が減り、角層のターンオーバーが正常に行われなくなります。これは皮膚のバリア機能の低下となり、日常は普通につかえていて化粧品があわなくなったり、紫外線によわくなったりします。
不適切はスキンケア(洗顔、クレンジング、エステで肌の無用な摩擦を加えているなど)で角質が余計にはがれて、皮膚のバリア機能が低下して肌が敏感になっている場合もあります。
4.毛穴を引き締めるための効果的な方法
毛穴の開きの有効な治療法(専門医による人気の治療法とその効果)
クリニックでの毛穴の開きの治療には2つの方法があります。
- 皮脂腺を縮小する
- 皮膚のリモデリングで真皮の状況を改善する。
毛穴の開きに有効な治療法には以下のようなものがあります。
- ダーマペン
- ニードルRF(ポテンツァ、シルファームなど)
- フラクショナルレーザー
各機器と効能比較
ダーマペン | ニードルRF | フラクショナルレーザー | |||
ポテンツァ | シルファーム | 1540レーザー | 炭酸ガスレーザー | ||
皮脂腺の縮小 | 効果なし | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
リモデリング | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ |
薬剤導入 | なし | 〇(マックーム) | なし | なし | なし |
毛穴の開き治療法の詳細を解説
皮脂腺の縮小
毛穴の開きは皮脂の過剰分泌が原因となります。女性ではとくに10代後半から30歳ころにかけては皮脂の分泌が最大になります。
皮脂を取り除くには、洗顔や剥がすタイプの毛穴パックを使われる方も多いと思います。しかし、やりすぎはかえって皮膚を傷めてしまいます。
皮脂は皮脂腺から分泌されていて、洗顔やパックで取り除いても、生産され分泌され続けます。
また、皮脂腺の大きさには個人差があり、皮脂や毛穴のつまりとは関係なく皮脂腺が目立つことがあります。
このような場合、機器をつかった治療としてはポテンツァ、シルファームといったニードルRF、フラクショナルレーザーがあります。
皮脂腺に熱を加えてダメージを与え、縮小させる方法です。
皮膚のリモデリング
女性では30歳を超えると皮脂の分泌は減少しはじめます。30代頃からの毛穴の開きの悩みを訴える人の多くは帯状毛穴、たるみ毛穴です。
お顔のたるみにともなって、頬部が下垂して、毛穴の形が開いて丸形から楕円形にみえるようになります。
加齢により皮膚の弾力性が低下することも帯状毛穴、たるみ毛穴の原因です。
これを改善するために、ポテンツァ、シルファームといったニードルRF、フラクショナルレーザーが使われます。
これらの機器は高周波あるいはレーザーで真皮に微細は熱損傷を与え、老化した線維芽細胞を除去します。同時にからだが損傷を修復する過程で、細胞分裂により新しい線維芽細胞を増やします。また、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリクスを新しく置き換え、皮膚の若返りをおこないます。
この過程を皮膚のリモデリング(再構築)といいます。
ヒアルロン酸注入
帯状毛穴、たるみ毛穴の場合、手で顔を上げてみてください。具体的には頬骨のやや後ろ(頬骨弓といいます)を斜め後方に引き上げます。
これで改善するようであれば、ヒアルロン酸注入でフェイスリフトをおこなう方法も有効です。
ヒアルロン酸注入とポテンツァ、シルファームといったニードルRF、フラクショナルレーザー併用すると、毛穴治療と同時にフェイスリフト、肌の若返りが可能です。
ポテンツァによる毛穴の開き治療
ニードルRFという治療
ポテンツァの治療原理はマイクロニードルという微細な針を皮下へ穿刺し、針先からRF(高周波)エネルギーを照射することで、真皮に熱を加える治療です。
以下の皮膚トラブルに効果があります。
- 毛穴の開きを改善したい。
- ニキビ、ニキビ跡を治したい。
- 小じわを改善したい。
- 皮膚のリジュビネーション(若返り)をおこないたい。
- 肝斑を改善したい。
皮脂腺を縮小させる数少ない治療法
皮脂の分泌は抑制するには糖分を控えた食事が必要ですが、それだけで皮脂の分泌が減る人は相当ラッキーです。
多くの人は食生活の改善だけでは皮脂の抑制はうまくいきません。
皮脂の分泌を機器をつかって抑制することは、最近まで難しいことでした。
唯一希望が持てたのは医療法レーザー脱毛でした。脱毛をおこなうと、毛が燃焼する際に皮脂腺にも間接的に熱が加わり、皮脂腺が小さくなることでした。
ニードルRFは原理からして、皮脂腺に直接、熱ダメージを与えることが可能です。
下の図はニードルRFであるポテンツァによる皮脂腺縮小のメカニズムをあらわしています。
帯状毛穴、たるみ毛穴の改善も可能
ポテンツァの効果は脂腺だけではありません。ポテンツァはそもそも、皮膚の若返りに使用される機器です。
真皮のリモデリング(再構築)をおこない、小じわ、たるみ、肌質の改善をおこないます。帯状毛穴とたるみ毛穴の原因が皮膚の加齢ですから、ポテンツァは最適な治療器といえます。
また、肝斑の治療にも有効です。
※皮膚のリモデリング
皮膚の老化の原因は、紫外線などにより真皮の細胞と細胞外マトリクス(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質)が劣化していることが原因といわれています。マイクロニードル、高周波、超音波、レーザーなどの美容医療機器で真皮に修復可能な熱損傷を与え、老化した細胞、細胞外マトリクスを新しくすることをリモデリング(再構築)といいます。毛穴治療以外にも、皮膚の若返り、肝斑、赤ら顔の治療の原理です。ポテンツァ、シルファームといったニードルRF、フラクショナルレーザーなどが代表的な治療機器です。フォトフェイシャルなどのIPLにもリモデリング効果があります。
ポテンツァの機能はこちらをご覧ください。真皮のリモデリング(再構築)に関しても記載しています。
肝斑治療はこちらをご覧ください。
1540レーザーよる毛穴の開き治療
1540フラクショナルレーザーと皮膚のリモデリング
上の図は1540フラクショナルレーザーをつかった毛穴治療を図にしたものです。
レーザー照射では表皮、真皮の浅層から中層に熱凝固をつくります。
1540フラクショナルレーザーでは皮膚表面から深さ0.9~1.1mmの真皮までに熱凝固をおこすことができます。
照射面積はポテンツァのマイクロニードルより大きい面積を治療できます。
この治療をくり返すことで、線維化が固くなっている瘢跡組織はやわらかくなり、正常な組織構造に近づきます
5.皮膚科、美容皮膚科での治療法と注意点
副作用やデメリットについて
セルフケアで毛穴の開きが改善されなかったときは、美容皮膚科での機器を用いた治療が選択肢になるかと思います。
美容皮膚科のデメリットと副作用に関してです。
デメリット
料金が高い
ダーマペンやポテンツァ、シルファームなどのニードルRFの針やチップは一人1回しか使えない消耗品です。使いまわしができません。したがって、コストが高くなります。
治療は1回終わらないので、3~5回以上おこなう予算を考えてクリニックを選ばれてください。料金にはクリニックの立地(家賃)も反映されます
施術は医師がおこなうか看護師がおこなうかで価格は大きく違ってきます。医師が施術をおこなえば料金は高くなります。医師と看護師、どちらの施術がよいのでしょうか。答えは機器を扱いなれていればどちらでもよいです。医師だから効果が高いことはありまえせん。看護師で施術をずっとおこなっている人は医師より扱いがうまいプロです。治療での細かい反応にも気づくし、対処も適格です。やり慣れた人がおこなうほうが当然結果はよくなります。
ドラッグデリバリーに使う薬剤のコスト
毛穴治療につかう機器には、施術と同時に薬剤を皮膚に入れるドラッグデリバリーを備えたものがあります。例えばポテンツァです。
使用した方が効果が高いですが、薬剤のコストが料金に反映されます。事前にクリニックに相談したほうがよいですね。
治療回数
ダーマペンやポテンツァ、シルファームなどのニードルRF、フラクショナルレーザーでは1回の治療でも効果がありますが、満足するまでの複数回の治療が必要となると思います。最低でも3~5回の治療が必要です。
一方、帯状毛穴、たるみ毛穴の場合、ヒアルロン酸注入などでフェイスリフトをおこなえば、目立たなくなるが期待できます。ヒアルロン酸注入では1回の治療で治療効果は1~1年半くらいです。
副作用
痛み
ダーマペンやポテンツァ、シルファームなどのニードルRF、フラクショナルレーザー、すべての治療では痛みがあります。痛みの程度で麻酔クリームなどの局所麻酔薬を使用することがあります。
治療後の痛みもありますが、痛みはは施術時に痛みの対するものがメインとなります。
赤みなどのダウンタイム
ダーマペンやポテンツァ、シルファームなどのニードルRF、フラクショナルレーザーすべての治療で治療後に赤みが出現します。治療内容によって赤みが消えるまでの時間がかわりますし、個人差もあります。
脱毛器の使用
医療レーザー脱毛は皮脂腺を縮小させるので、皮脂の分泌の抑制が可能です。
レーザーを照射すると毛は瞬時に燃焼します。その際の熱が毛包に隣接する皮脂腺に波及し、ダメージを与えます。
皮脂腺には熱が間接的に伝わるので、ポテンツァや1540フラクショナルレーザーに比べると効果が弱くなります。
有効な治療と考えています。
6.山手皮膚科クリニック毛穴治療のながれ
1.予約
「予約サイト」へいき、選択メニューボタン
から 「毛穴の開き」のご相談 を選択ください。
診察はすべてWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。
2.初診・初回相談・再相談
- 毛穴の開きの治療をご希望の方は、先ずカウンセリングにご来院いただいております。医師が診察し診断と治療方法の説明をおこないます。
- ご相談は、自費診療です。初回相談は3,300円(税込み)、再相談・経過診察は1,650円(税込)です。
- 前回相談日ならびに前回レーザー治療から1年以上経過している方は、再度診察(再カウンセリング)が必要です。
- 当院は方針として、カウンセリングと治療は同時に行っておりません。治療までに2回のご来院が必要です。
7.料金
料金はこちらをご覧ください。
8.毛穴の開き(開き毛穴)についてのよくある質問
ここでは、毛穴の開きに対するセルフケアについて書いています。セルフケアでは難しい場合、機器をつかって治療も加えました。
質問をクリックすると回答が開きます。
毛穴の開きのスキンケアでしていけないことがありますか?
毛穴の開きに対するスキンケアでは「力を入れない、摩擦をしない」ことが大切です。
洗顔や化粧水などを使っての保湿をする際、手や指先に力を入れてゴシゴシ擦ってしまうと、皮膚には横ずれに力がかかります。これは肌への大きな負担になります。皮膚は構造上、皮膚(肌)に垂直に加わる力に強くできています。一方、皮膚に摩擦を与える横ずれの力には弱いのです。新しい靴を履くと、しばらくもせず靴擦れができるのは良い例です。
ですから、優しく、力を加減して毎日のケアをおこなってください。理想は肌をさわらず、泡をさわっての「泡洗顔」です。
「洗顔のし過ぎ」も避けてください。一日に何度も洗顔すると、角質が剥がれて表皮がうすくなります。角質には天然の保湿成分が含まれているので皮膚は乾燥します。皮膚はこれを察知して、皮脂の分泌を加速します。結果、毛穴の開きにつながります。洗顔は朝晩2回程度をおすすめします。
角栓を手(指先)でぎゅっと押し出していますが、よいでしょうか?
指先で角栓(毛穴のつまり)をぎゅっと押し出すことはよくありません。
まず、指先は汚れているとお考えください。毛穴から雑菌が毛包へはいっていくと、毛包炎の原因になります。炎症後繰り返すと凹んだ瘢痕になることがあります。
では、指先を清潔に洗ったらよいのか?とのご質問もあると思いますが。それでも、刺激によって毛穴周囲(毛包漏斗部といいます)のメラニン産生が更新して、色素沈着がおこります。
色素沈着が起こっている毛穴周りも良くなりますか?
頻回な毛穴パック、摩擦、指先(手)での押し出しなど、毛穴に繰り返し刺激が加わると色素沈着がおこり毛穴が黒くなってしまいます。このような場合、刺激になる行動(生活習慣)を避けることがもちろんです。
セルフケアではビタミンC誘導体の入った化粧水などの使用がよいと思います。ビタミンC誘導体は皮膚に浸透して、活性型ビタミンCにかわります。これが、メラニンを産生するメラノサイトに働き、色素沈着を軽減します。
引き締めケアはどのようにしますか?
これもビタミンC誘導体の入った化粧水がよいと思います。皮膚の収れん効果があります。
同時に色素沈着の防止ににもなります。
ときどきピーリング効果がある化粧品の使用もよいと思います。ただし、毎日など頻回におこなうと皮膚の角層を過剰に剥がすことになり、皮膚はダメージを受けます。結果、色素沈着や毛細血管の拡張がおこることがあります。
加齢による毛穴の開きも治せるものでしょうか?
加齢による毛穴の開きは以下のことが原因です。
- 表皮が薄くなる
- 真皮の線維芽細胞の老化
- コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質(この3つを細胞外マトリクスといいます)の老化
毛包に対しなにか治療をおこなうのではなく、毛包の周囲の真皮に対して老化対策をおこなう治療をおこないます。
治療はセルフケアでは不可能です。美容皮膚科での機器を使った施術が必要となります。
ダーマペン、ポテンツァ、シルファームなどのニードルRF、フラクショナルレーザーにより治療は表皮基底層、真皮に「リモデリング」という古い組織を新しい組織におきかえる治療をおこないます。「リモデリング」により毛穴の開きが改善します。
サプリメントは毛穴の開き改善に効果がありますか?
内服のサプリメントでは毛穴の改善は見込めません。
毛穴の開きを食生活で改善できますか?
毛穴の開きの原因の一つは皮脂の過剰な分泌です。皮脂は毛包の横の皮脂腺で血中の糖からつくられます。糖質が多い食事を好まれる方で皮脂の分泌が多い(脂性肌)の方は、食生活から糖質を減らすことでよくなる可能性があります。
皮脂は血中の脂質からもつくられますが、糖から産生される皮脂と比べると少量といわれています。糖質も脂質も大好きな方はまず糖質から減らすことが効果が高いといえます。
機器をつかった場合、施術回数や期間はどれくらいですか?
1回の施術でも毛穴の開きの改善効果が期待できます。毛穴の開きの程度、年齢によっては複数回受けていただく場合もあります。
また治療後にメンテナンスが必要な場合もあります。治療の効果には機器の治療メカニズム、治療への反応の個人差、個人の感じ方の差があります。
毛穴の開きの治療は保険適用ですか?
毛穴の開きの治療は美容医療です。保険適用ではありません。自費診療となります。
ポテンツァの概要
診療区分 | 自由診療 | ||||||
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治療内容 | POTENZAとは、多彩なマイクロニードルのチップを備えた、RF(高周波)治療機です。 症状に適したチップを使用し、RFを照射することで、様々なお肌の悩みにはたらきかけます。 |
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照射出力等 | 0.5~4J/c㎡ | ||||||
治療期間及び回数 |
繰り返しの治療が望ましい。回数は疾患により異なります。 | ||||||
施術によるリスク・副作用 | 治療直後には照射部位に発赤がでます。 治療後は一過性の炎症後色素沈着が起こることがあります。 治療部位には凸凹とした治療跡が残ることがあります。 |
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施術に要する費用 |
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未承認医薬品等であることの明示 | ポテンツァは国内未承認機器です。 | ||||||
入手経路等の明示 | Jeisys Medical Inc.より、医師が個人輸入しております。 ※承認を受けていない医薬品・医療機器については下記のページをご確認くださいhttps://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/ |
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国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 | ||||||
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
以下の認証を取得しております。 |
1540フラクショナルレーザーの概要
診療区分 | 自由診療 | ||||||||||||||||||||
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照射出力等 | 45~70mJ | ||||||||||||||||||||
治療期間及び回数 | 4~6週間の間隔で少なくとも7~9回程度 | ||||||||||||||||||||
施術によるリスク・副作用 | 治療直後にはレーザー照射部位に発赤と痛みがでます。 | ||||||||||||||||||||
施術に要する費用 |
|
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承認区分 | 1540フラクショナルレーザーは国内未承認機器です。 |
注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。
個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html