更新日:2023.2.5/公開日:2015.11.23
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。
赤ら顔の相談、Vフェイシャルの新規受付は現在おこなっておりません。以下のVフェイシャルの記事はご参考までのお読みください。
毛細血管拡張症の診察、治療(保険診療)はおこなっております。2023年2月5日 院長 豊福一朋
Vフェイシャル
Vフェイシャルは当院で2015年にスタートした「広範囲の毛細血管拡張症」と「赤ら顔」に対するレーザー治療です。照射方法と出力は当院オリジナルの設定行っています。
Vフェイシャルでは、シネロン・キャンデラ社製の色素レーザー『VビームⅡ』を使用します。VビームⅡは、血管性の疾患・症状の治療に世界で最も多く使用されています。日本では厚生労働省の承認を得ています。
VビームⅡの光は595nmの波長をもち、このレーザー光は血液中の酸化ヘモグロビンに吸収されると熱エネルギーに変換されます(熱を発生します)。ここで発生した熱により照射箇所に存在する血管内壁が熱破壊または熱損傷をうけて血管が閉塞することで、毛細血管拡張症や顔の赤みを改善することができます。
Vフェイシャルで使用する色素レーザー『VビームⅡ』は、小範囲の毛細血管拡張症、単純性血管腫、サーモンパッチ(正中部母斑)、いちご状血管腫に対して保険での治療が認められています。
私は当初、「赤アザ」とされる単純性血管腫やサーモンパッチ(正中部母斑)の治療のためにVビームⅡを購入したのですが、予想外に毛細血管拡張症と赤ら顔の治療を希望される患者様が多くいらしゃいました。しかしながら、広範囲の毛細血管拡張症と赤ら顔は保険での治療が認められていません。照射面積が広く、加えて医師が行う自費診療となると、料金は高額になります。また、血管性の症状に対するレーザー治療は、通常複数回の治療が必要となります。
そこで、広範囲の毛細血管拡張症と赤ら顔の治療を希望される方が、あまり費用を心配することなく治療を受けていただけるように、Vフェイシャルという看護師施術メニューをつくりました。
Vフェイシャルは看護師施術ですが、設定と出力を限定することで効果的かつ安全に治療をおこなうことができています。
治療効果ついて
- Vフェイシャルは、「毛細血管拡張症」と「赤ら顔」のいずれの症状に対しても効果がありますが、効果の程度には違いがあります。
- ダーモスコピーで皮膚表面から毛細血管が確認できる「毛細血管拡張症」がある場合、Vフェイシャルの効果が高くなります。
- ダーモスコピーで皮膚表面に毛細血管が確認できない(見えない)、いわゆる「赤ら顔」ではVフェイシャルの効果は落ちます。
「緊張、急激な気温変化で顔が赤くなるのは治りますか?」という質問をよくいただきます。緊張は神経の興奮によるもの、温度変化は血流量の増加によるもので、通常の反応です。
過度に顔が赤くみえる方の多くは、真皮上層に毛細血管が多く存在しているか、色白で皮膚表面から真皮が透けてみえています。Vフェイシャルでは緊張や、急激な温度変化で顔が赤くなることそのものをなくすことはできませんが、VビームⅡのレーザー光によって、毛細血管を破壊または損傷されることでその症状を改善することが可能であると考えています。
症例写真
上記症例の説明:30歳代女性。赤ら顔の治療目的で来院されました。それまでは数か所の皮膚科で酒さの診断を受けて、タクロリムス軟膏、ロゼックスゲルを外用していましたが、効果がなかったということでした。Vフェイシャルでの治療をおこないました。
治療回数5回、通院6回 治療にかかった費用:レーザー照射(5回) 合計\79,200
※治療で起こり得る副作用:照射時に痛み、照射後の顔のほてりや腫脹
Vフェイシャル照射
照射手順
- 洗顔:お化粧や日焼け止めはメイク落としと洗顔フォームを使用して完全に落としていただきます。
- 眼球保護:専用のゴーグルを装着していただきます。
- レーザー照射:照射ごとに冷却ガスが皮膚表面に噴射され、皮膚を保護し痛みを緩和します。照射時の痛みはありますが、安全に治療を行うため麻酔は使用せずに実施します。
- 照射終了後:直後より基礎化粧品によるスキンケアとお化粧が可能です。
※お願い※
照射当日の朝、ご自宅にて剃り残しが無いよう希望部位のヒゲやうぶ毛をそってからご来院ください。ナースによる剃毛は1,100円をいただきます。
照射回数・間隔
治療間隔の目安は4~5週間です。効果を得るには3~5回程度の照射が必要です。また、効果の実感が得られた後も2~3か月間隔での治療をおすすめしています。
治療効果の限界について
VビームⅡの595nmという波長は、皮膚表面から1.5~1.7mmの深さまで届くとされていますが、正常組織に過剰な損傷を与えずに治療できる深さは0.6mm~1mm程度までです。Vフェイシャルは初回から3回目まで、段階的に出力を上げていきます。その後は3回目の出力を継続しますが、4回目以降の症状改善がみられなくなったところがVフェイシャルの治療効果の限界となります。
注意事項
- 施術直後は照射部位に発赤やほてり感がありますが、通常クーリングの必要はありません。
- 照射後2~3日間程度、照射部位がやや腫れた感じがする場合があります。
- 照射範囲に軽度の紫斑、点状出血が生じる場合があります。これらの症状は、通常7日~14日ほどで消退します。
- 施術後当日の飲酒、運動、入浴はお控えください。シャワー浴は可能です。
- レーザー照射後、じんま疹様の皮疹が出ることがありますが通常翌日には消失します。翌日以降も照射部位に赤みや痒みなど、ご心配な症状があるときにはクリニックに連絡または受診をしてください。自己判断で症状発生より1週間以上放置された場合、適切な処置が行えず対応できなくなる場合があります。
- 安全かつ効果的な治療を行うために、治療期間中は日焼けを避けてください。日焼けをした後や大事なご予定がある前は最低2週間あけて治療を受けいただいております(状態によっては治療できない場合があります)。
- 治療前後3日間は一部のニキビ治療薬(デュアック配合ゲル、ベピオゲル、ディフェリンゲル、エピデュオゲル)の使用を中止してください。
- 治療効果を減弱させるため、Vフェイシャルを定期的にお受けになられている期間は、トレチノインやレチノール配合化粧品の使用、ピーリング、ダーマペン、フラクショナルレーザー、レーザートーニング、顔面のマッサージをお控えください。
- 光線過敏症、妊娠中の方、抗リウマチ薬(金製剤)内服歴のある方、イソトレチノイン内服中および内服終了から30日を経過していない方は治療をお受けいただけません。
- レーザーが到達可能な皮膚表面からの深さには限界があり、照射部位の赤みを完全に消退させることはできません。
- 一定期間継続した治療を行い効果が得られた後も、血管の新生や血流の回復により、新たに赤みの症状が出現することがあります。
- レーザー治療を前提とした診察・相談・治療の実施について、患者様の年齢制限を設けております。ご相談及び施術ともに、満19歳以上の方を対象とさせていただきます。
Vフェイシャル料金
Vフェイシャルの料金はこちらをご覧ください。
Vフェイシャルの概要
診療区分 | 自由診療 | ||||||||||
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照射出力等 | 4~7J/c㎡ | ||||||||||
治療期間及び回数 |
1クール3~5回 (治療期間 約3~5か月) 1クール終了後 照射は2~3か月おき |
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施術によるリスク・副作⽤ | レーザー照射時にゴムで弾くような痛みがあります。 軽度の紫斑、点状出血がみられることがあります。 |
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施術に要する費⽤ |
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承認区分 | VビームⅡは国内承認機器です。 |
注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。
個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html