1.赤ら顔の特徴と症状
赤ら顔の見分け方:かゆみやヒリつきの有無
すっぴん時の顔が赤い場合、主な原因は「肌の炎症」 や「毛細血管の拡張」です。肌の炎症を防ぎ、不必要に毛細血管が拡張しないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。
すっぴん時の顔が赤くなる原因とおすすめのスキンケア方法をまとめました。また、皮膚科で行われている治療や顔の赤みに隠れている病気についても解説します。
そもそも肌が赤くなるのは「炎症によって肌が赤みを帯びている」もしくは「毛細血管が拡張して、血液が透けて見えている」からです。
そのため、すっぴん時に顔が赤い原因として、次の5つが考えられます。
・ニキビ跡(ニキビ痕)
・慢性的な肌荒れ
・肌への刺激による毛細血管の拡張
・肌のバリア機能の低下
・生まれつきの皮膚の薄さ
それぞれどのような理由で肌が赤くなるのかについて、以下で説明していきます。
ニキビは、アクネ菌の増殖が原因の皮膚の病気で、皮脂の過剰分泌や毛穴に皮脂が詰まることで起きます。
思春期のニキビの場合は、皮脂の分泌が多い額や鼻にできやすく、大人になるにつれて徐々におさまっていきます。
一方、大人のニキビは睡眠不足や偏った食事、ストレスなどが主な原因です。また、大人のニキビは状態に応じて「白ニキビ」や「赤ニキビ」などに分類されます。
赤ニキビはアクネ菌の増殖によって肌に炎症が起きている状態で、さらに悪化すると、化膿した状態の「黄ニキビ」になるので注意してください。
一度状態が悪化してしまうと、ニキビは治っても「ニキビ跡(ニキビ痕)」が残ることもあります。炎症が強ければ赤みが残るタイプのニキビ跡(ニキビ痕)になるため、すっぴん時の肌も赤くなります
慢性的な肌荒れ
前述のニキビ跡(ニキビ痕)とも関連しますが、慢性的に肌荒れが起こっている場合も肌が赤みを帯びます。
ニキビなどの炎症を伴う肌荒れが慢性的に続いたり、長期にわたるマスクの使用を行ったりすると、湿疹ができてかゆみを感じることもあります。肌荒れであれば、セルフケアで対処しようと考える人も多いでしょう。
しかし、慢性的に続くようであれば、一度、皮膚科などを受診するようにしてください。
皮膚への刺激による毛細血管の拡張
何らかの原因によって顔の毛細血管が拡張し、そこに流れる血液が透けることで顔が赤く見えている可能性もあります。
一般的に「赤ら顔」と呼ばれる状態は、この毛細血管の拡張が原因です。毛細血管が拡張する理由にはいくつかありますが、主なものは「寒暖差による皮膚への刺激」や「精神的な緊張」などです。
また、ニキビができると肌を早く回復させるために毛細血管が拡張します。
同じ場所にニキビが繰り返しできる場合は、拡張した毛細血管が通常よりも元に戻りにくく、肌の赤みになってしまうこともあります。
突然赤くなる顔と常に赤い顔の違い
2.赤ら顔の原因
内因的な原因について
遺伝や体質について
生まれつきの皮膚の薄さ
繰り返しになりますが、毛細血管が拡張することで、すっぴん時の顔が赤みがかっているケースもあります。
そして、生まれつき皮膚が薄い人は、その赤みがより目立ちやすくなります。
寒暖差などによる皮膚への刺激は顔が赤くなる原因ですが、皮膚が薄い人の方が赤くなりやすいと考えてください。皮膚の薄さは遺伝や体質が関係しています。
ただし、スキンケアをする際の過度な摩擦が原因で、時間をかけて徐々に皮膚が薄くなることもあるので注意しましょう。
ストレスや環境について
外因的な原因について
食事やライフスタイルについて
スキンケアや化粧品の影響について
肌のバリア機能の低下
さまざまな肌のトラブルによるすっぴん時の顔の赤みを防ぐには、肌のバリア機能を維持することが重要です。
不規則な生活や睡眠不足、過度なストレスなどで肌のバリア機能が低下していると、これまではトラブルにならなかったような原因でも、肌にとっての刺激になります。
加えて、肌が乾燥していると刺激を受けやすくなるので注意してください。
顔を洗うときは優しく擦らないようにして、洗顔後はしっかりと保湿を行いましょう。
また、「エアコンの風を顔に直接当てない」「加湿器を使う」なども肌の乾燥対策になります。
疾患が引き起こす赤ら顔について
酒さ様皮膚炎
酒さ
脂漏性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
原因が不明を考えられていた赤ら顔に関する最新の知見
Toll様受容体(トルようじゅようたい、Toll-like receptor:TLRと略す)は動物の細胞表面にある受容体タンパク質で、種々の病原体を感知して自然免疫(獲得免疫と異なり、一般の病原体を排除する非特異的な免疫作用)を作動させる機能がある。脊椎動物では、獲得免疫が働くためにもToll様受容体などを介した自然免疫の作動が必要である。
抗菌性ペプチドLL-37とは
抗菌性ペプチドLL-37は,ヒトから単離されたカテリシジンファミリー(cathelicidin family)に属する最初の両親媒性のα-ヘリックスペプチドです。LL-37は局所感染や炎症,傷の部位において,病原体の全身侵入に対する最前線での防御の重要な役割を果たしています。LL-37は溶液中におけるタンパク質分解に対して耐性があり,細菌や真核生物細胞の両方に対し細胞毒性を有します。
マトリックスメタロプロテアーゼ(英:Matrix metalloproteinase、MMP)はメタロプロテアーゼ(活性中心に金属イオンが配座しているタンパク質分解酵素の総称)の一群でありMMPの活性中心には亜鉛イオン(Zn2+)やカルシウムイオン(Ca2+)が含まれる。コラーゲンやプロテオグリカン、エラスチンなどから成る細胞外マトリックスの分解をはじめとし、細胞表面に発現するタンパク質の分解、生理活性物質のプロセシングなどその作用は多岐にわたる
ドキシサイクリン→血管内皮細胞のMMPの合成を阻害
ブリモニジン(Brimonidine)はアドレナリンα2受容体作動薬。常温では白色-微黄色の粉末となる酒石酸塩が臨床的に使用される。点眼薬として緑内障、高眼圧症の治療薬として使用される。市販名アイファガン (Alphagan)として市販されている 。 また塗布剤として酒皶の皮膚発赤の治療にも使用されるIn addition, interestingly, one study found that mild to severe papulopustular rosacea
responds well to long-pulse neodymium:yttrium:aluminum:garnet laser treatment. In that
study, follicular ablation and selective photothermolysis were apparent; these destroyed
the telangiectasia and induced remodeling of dermal collagen [104]. In one study, radiofrequency
irradiation improved rosacea induced by ultraviolet B in an animal model by reducing
keratinocyte proliferation; it also improved the levels of pro-inflammatory cytokines,
angiogenesis-related inflammatory factors, and VEGF, and attenuated the VEGF-induced
pathophysiology of rosacea, reducing tube formation, cell migration, and endothelial cell
proliferation [105].肝斑の原因
104. Lee, J.H.; Kim, M.; Bae, J.M.; Cho, B.K.; Park, H.J. Efficacy of the long-pulsed 1064-nm neodymium:yttrium-aluminum-garnet
laser (LPND) (rejuvenation mode) in the treatment of papulopustular rosacea (PPR): A pilot study of clinical outcomes and
patient satisfaction in 30 cases. J. Am. Acad. Dermatol. 2015, 73, 333–336. [CrossRef]
105. Son, M.; Park, J.; Oh, S.; Choi, J.; Shim, M.; Kang, D.; Byun, K. Radiofrequency irradiation attenuates angiogenesis and
inflammation in UVB-induced rosacea in mouse skin. Exp. Dermatol. 2020, 29. [CrossRef]
これまでいわれてきた肝斑の原因
教科書には「肝斑の原因はわかっていません。」と書かれています。
だいたい以下のように記載されていることが多いです。
1)経口避妊薬でも出現しやすく、高齢になると自然に消失することから、女性ホルモンの分泌と深い関係がある。
2)多くは妊娠をきっかけに出現する。
3)紫外線の多くなる夏に目立つようになり、冬には薄くなることが多く、紫外線が増悪要因となる。
4)睡眠不足、ストレスでも悪化することがある。
しかし、実態に肝斑の人を診察していると、1)、2)、4)は必ずしも肝斑と関係が深いとはいえないことに気づきます。
私は皮膚科になって30年以上肝斑を含むシミを診察していて、肝斑の人にはある傾向があることに気づきました。それは、「皮膚を擦りすぎている」ということです。
顏の擦りすぎが肝斑の原因
肝斑は女性に多く、化粧をする年代から出現します。女性は20歳はじめから化粧をするひとも多いですが、念入りに化粧をするようになるのは30歳前後です。肝斑の好発年齢と一致します。
化粧品の種類・品目が増え、念入りに化粧をすれば、自然に肌を擦るようになります。 とくに頬骨部(下図①)、前額外側(下図②)、鼻下と顎(下図③)は皮下の脂肪組織が少ない場所で、直下に歯と骨があり、皮膚の可動性が悪い部位です。化粧することで過剰な摩擦が加わることになり、結果として「擦りすぎによる皮膚のバリア破壊」がおこります。
皮膚のバリア破壊により、皮膚には慢性に炎症が続き表皮にメラニンが増加して色素が濃くなり肝斑となります。
肝斑は摩擦により表皮におこる「炎症後色素沈着」といえます。さらに肝斑を隠そうと念入りに化粧することで、慢性の炎症は遷延しさらに表皮のメラニン量が増え肝斑が濃くなったりすると考えています。
当院は新宿区にあるので、アジア系の方が多く住んでいらっしゃいます。東南アジアのある地域(国)から日本に来られた方には、とても濃い肝斑が多くみられます。
生活状況をお聞きしたところ、この地域(国)では洗顔時に強く肌を擦るということがわかりました。
洗顔をやさしくすることで、肝斑は改善しました。洗顔指導をしたことで肝斑が薄くなることは、肝斑と「擦りすぎによる皮膚のバリア破壊」が関連していると確信させてくれます。
肝斑のある方では、顔を擦る傾向があるので、肝斑以外の部分にも摩擦により色素沈着がおきていることが多いのも特徴です。
ほか、紫外線の影響は強いと思います、とくに頬骨部は紫外線の暴露が多い部分です。紫外線が肝斑の増悪因子であることは間違えなさそうです。
私は肝斑の原因を以下のように考えます。
- 洗顔、化粧時に顔を摩擦することでおきる「擦りすぎによる皮膚のバリア破壊」の結果出現する「炎症後色素沈着」である。
- 紫外線は確実な増悪要因である。
摩擦と紫外線が肝斑のもっとも大きな原因
最近の論文では肝斑が紫外線による皮膚の老化やダメージでおこっていると発表されています。肝斑は若くても出現しますが、その本体は皮膚の老化であると考えられます。
ただし、ここでいう「老化」はシワ、シミ、たるみなどの皮膚の老化とは異なります。紫外線ダメージによる真皮に起こった細胞レベルのわずかの異常、表面には色が濃いというだけの症状の出現です。
原因は紫外線による真皮の老化(エイジング)ですが、肝斑としての症状の出現には皮膚の摩擦が大きく関与します。
化粧、クレンジング、洗顔の摩擦によって、(特に頬骨上の)皮膚がうすくなり、そのために紫外線による影響が強く表れるのではないかと考えらています。
肝斑出現のメカニズム
肝斑の原因は1)顔の摩擦と2)摩擦による皮膚の菲薄化、3)紫外線ということがわかってきました。
肝斑のない皮膚の状態
メラニンを産生するメラノサイトは厚さわずか0.2mmの表皮の一番下に存在しています。
メラノサイトから産生されたメラニンのおかげで我々のからだは、地球に降りそそぐ紫外線から守られています。
メラニン産生は表皮の基底細胞、真皮の線維芽細胞、血管内皮細胞から放出されるサイトカインという物質、脳の指令でからだを駆けめぐろ様々なホルモンによってコントロールされています。このコントロールが失われた状態がシミ・ソバカス、肝斑を含めた色素異常症です。
真皮のリモデリング
当院でおこなうフォトフェイシャルもポテンツァも真皮のリモデリングをおこない、肝斑を改善します。
リモデリングとは何か(用語解説)
一般にいわれる「皮膚のリモデリング」ついて説明します。
皮膚は老化すると以下のことがおこります。
- 表皮が薄くなります。
- 真皮では細胞成分(線維芽細胞と血管内皮細胞)が老化します。
- 真皮では細胞外マトリクス(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸)が劣化します。
- 皮下脂肪が減少します。
これらを改善することが「皮膚の若返り」であり、そのために「皮膚のリモデリング」を起こす必要があります。
リモデリングでは最初にレーザー、超音波で皮下に熱を加えたり、マイクロニードルなどで微細な穴をあけるなど、皮膚に修復可能なダメージを与えます。
皮膚はダメージが与えられると、すぐに再生を始めます。傷んだ組織は吸収され、同時に新しく線維芽細胞が増殖し、新しい血管新生がおこります。
線維芽細胞はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリクスを産生し、皮膚は治療をおこなう前と比べ少し若返ります。
このような治療を繰り返しおこなうことにより、老化して皮膚の構造は変化して、シワ、たるみの改善、肌のハリの改善がおこります。
肝斑の治療ではリモデリングで傷んだ真皮を再生する
肝斑での治療は真皮のリモデリングです。フォトフェイシャルなどのIPL、ポテンツァやシルファームなどのニードルRFで表皮下部から真皮を加熱して熱凝固をおこします。
真皮が再生する過程で、老化した線維芽細胞や異常な血管内皮細胞、コラーゲンなどの細胞外マトリクスは、新生した線維芽細胞や血管内皮細胞に入れ替わります。
表皮真皮の境界部でのリモデリングでは断裂したり二重構造になった傷んだ表皮基底層を正常化します。
リモデリングにより、メラノサイトへメラニン産生を促す異常なサイトカインは減少して肝斑は改善します。
1.顔の摩擦を避ける(スキンケア指導)
顔の摩擦を与えることはつぎのことを引き起こします。
- 角層が薄くなり紫外線や外界からの刺激(化粧品など)に過敏になる。
- 表皮と真皮の境界部に摩擦がおきて、表皮基底膜の断裂がおこる。
- 摩擦は皮膚炎の原因ともなり、炎症からメラニン産生が高まる。
顔を擦らない=摩擦をしない ことは可能です。以下のことに気をつけてください。
- 肌につける美容液や化粧品の品数を減らしください。品数を減らすことで顔への摩擦を減らせます。
- 泡洗顔にして、顔をこすらず、泡をこすって洗顔します。
- シャワー時に顔の直接シャワーをかけないでください。パックは使用しないでください。
- ピーリングやマッサージはおこなわないでください。※肝斑ピーリングは治療の理論に逆行します。
2.サンスクリーン剤(日焼け止め)を使う
サンスクリーン剤はファンデーションに日焼け止めが入っているものでは不十分です。できるだけ日焼け止め単剤を使用してください。
サンスクリーンの持続時間(表示されているSPFが保てる時間)は、なんとわずか2~3時間です。
朝、出勤時に塗って、夕方、太陽がでている時間に帰宅されると紫外線は皮膚に浸透しています。
わずかな時間でも積み重ねで皮膚の紫外線老化が進行していきます。
夕方に買い物や帰宅で外出されるときは、サンスクリーン剤の塗りなおしをおこなってください。
3.フォトフェイシャルM22
フォトフェイシャルで肝斑が悪化しました という方がいます。
当院では肝斑治療にフォトフェイシャルM22を用います。
「えっ! 他院ではフォトフェイシャルで肝斑は悪化するので、レーザートーニングを勧められました。」、「以前、肝斑にフォトフェイシャルをおこなって悪化しました。」
肝斑治療で当院を受診された方では、このような経験をされた方が少なからずいらっしゃいます。
なぜ、このようなことがおこるのでしょうか?それは、フォトフェイシャルで肝斑のメラニンやメラノサイトにダメージを与えようとした、あるいは出力が高かったのでダメージを与えてしまったからです。
フォトフェイシャルM22の一番の目的は、真皮のリモデリングです。真皮に修復可能な熱ダメージをあたえて、紫外線によって影響を受けた線維芽細胞や血管内皮細胞を新しい細胞に入れ替えるのです。
同時にフォトフェイシャルの光は必ずメラニンに反応するので、当然くすみは改善します。
肝斑を悪化させないように真皮のリモデリングをおこすフォトフェイシャルの設定が治療の成否を左右します。
フォトフェイシャルM22についてはこちらをご覧ください。
※肌のトーンが濃い方はフォトフェイシャルM22が使用できない場合があります。
3.赤ら顔の効果的な対策と改善法
皮膚科での治療方法
専門的な治療法について
スキンケアでの対策
適切な保湿方法と推奨商品
顔の赤みが気になる人は以下のポイントに注意してスキンケアを行ってください。
・洗顔は肌を痛めないように優しく行う
・洗顔後は化粧水や乳液でしっかりと保湿する
・炎症があるときはビタミンC配合の化粧水がおすすめ
・かゆみがあるときは低刺激タイプを選ぶ
・紫外線対策で肌のバリア機能を守る
・化粧下地は赤みを目立たせない色を選ぶ
洗顔は肌を痛めないように優しく行う
余計な刺激を与え、肌に負担をかけるのは赤みの原因になります。そのため、顔を洗うときは肌を痛めないようにしましょう。
肌を刺激しない製品選びのポイント
保湿の効果とUV対策の重要性
紫外線対策で肌のバリア機能を守る
紫外線は肌にダメージを与え、赤みを目立たせる原因になります。
また、肌のバリア機能を低下させ、肌荒れに繋がるのでしっかりと紫外線対策も行いましょう。
外出する前に日焼け止めを塗るほか、UVカット加工されている日傘の使用なども効果的です。
生活習慣の見直し
飲酒・タバコの影響
肌を守る栄養素とその摂取方法
刺激物を避ける食生活の改善
4.赤ら顔に効果的な化粧品とメイクテクニック
推奨化粧品と使用方法
カバー力のあるコンシーラーやファンデーション
肌に優しい成分の化粧品選び
化粧下地は赤みを目立たせない色を選ぶ
化粧下地を使うときは、赤みが目立たない色を選択するのもポイントです。
すっぴん時の顔の赤みを目立たせないためには、赤の補色である緑系の下地を使うと良いでしょう。反対にピンク系の下地は赤みを目立たせてしまいます。
また、赤みを隠すための濃いメイクは、肌にとって負担になります。特にニキビなどがある場合、下地を塗る時に強く擦らないように注意してください。メイクでの工夫
色彩補正による赤みカバー
赤ら顔を引き立てるメイクテクニック
5.赤ら顔が苦手な人とのコミュニケーション
理解と対応の重要性
赤ら顔を気にしない雰囲気づくり
赤ら顔
1.はじめに
赤ら顔、顔の紅潮・発赤の改善に画期的な治療法はありません。顔の赤みの症状を改善していくためには、患者さん自身が自分の皮膚症状と肌質について、正しい認識を持つことが最も重要なことであると私たち山手皮フ科クリニック(以下、当院)は考えています。当院では、異常な症状については異常を正常にするための治療をおこないます。異常ではない症状に対しては、患者さんに異常ではなく、年齢や性別(身体的な性)、個体差により生じうる自然な状態であることを説明し、治療を行わない場合と、今よりも美しい状態にすることを目的とした美容医療を提供する場合があります。
人の皮膚に生じる赤い色のもとは、血管の中を流れる赤血球に含まれる酸化ヘモグロビンです。人の皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3層構造をしています。通常表皮に血管は存在しません。表皮は平均0.2mm(ティッシュ1枚くらい)の厚さです。表皮の最も上層(外側の層)を角層といいます。角層の働きとして特に重要なのは、バリア機能と水分保持機能です。
顔面全体や両頬の赤みの症状でお悩みの患者様の皮膚表面をよく見ると、角層がないあるいは角層形成が未熟で、表面がつるつるしたお肌の方が多くいらっしゃいます。過剰な角層は皮膚の質感の悪化や、くすみ、ニキビの原因となりますが、角層がない皮膚は紫外線や物理的刺激によるダメージを受けやすく、少しの刺激で皮膚の刺激感や発赤が生じやすくなります。角層を正常な状態に保つために最も重要なことは、摩擦により角層を取り除きすぎないことです。また、角層が薄いということは、真皮に存在する血管や、血行が良くなった時の真皮の紅潮が透けて見えやすい状態になっていると言えます。
赤ら顔、顔の紅潮・発赤の改善と予防には、その症状が異常でも、異常ではなくても、医療行為のみで解決することは絶対にできません。その症状に対する適切なスキンケアと紫外線防御に加え、繰り返しになりますが、患者さん自身が自分の皮膚症状と肌質について、正しい認識を持つことが最も重要なことであると私たちは考えています。
2.赤ら顔とは
皮膚の異常により、発赤、紅斑、紅潮がみられることがあります。
皮膚の異常がなくても、発赤、紅潮がみられることがあります。
一見、皮膚の異常も顕著な発赤、紅斑、紅潮がみられなくても、患者様の主観で「自分は赤ら顔だ」と思っている方もいます。
「赤ら顔」という病名・診断名はありません。
医療現場では皮膚が赤くなっている状態または症状を、発赤、紅斑、紅潮などと表現します。これらの症状が顔面に存在する場合に、「赤ら顔」という表現が使用される傾向にあります。
3.赤ら顔の原因となるもの
- 皮膚炎
- 炎症
- 日焼け、紫外線による影響
- 皮脂過多
- 脂腺の発達
- 毛包の発達
- 汗腺の発達
- 毛細血管拡張
- 加齢による皮膚の菲薄化・萎縮
- 摩擦による皮膚の菲薄化
4.山手皮フ科クリニックの赤ら顔改善治療
- 酒さ、酒さ様皮膚炎、湿疹など皮膚の異常による「赤ら顔」の症状は、皮膚の異常を治療することで改善します。
- 皮膚の異常がなく、発赤、紅潮がみられる場合、Vフェイシャルやレーザーフェイシャルなど美容医療の施術をおこなうと改善する場合があります。
- 皮膚の異常も顕著な発赤、紅斑、紅潮がみられない、自覚症状としての「赤ら顔」に対しては治療方法がありません。美容医療の施術をおこなうことは可能ですが、効果については患者様の主観にゆだねられることになります。当院では、以下の改善可能な症状に対して、Ⅴフェイシャルまたはレーザーフェイシャルをおこなっております。
- また、毛細血管拡張症に対しては、40㎠以下の範囲までであれば保険で治療が可能です。
改善が可能な症状
- 特に何もしていないけれど顔の赤みが気になる
- 特に何もしていないけれど顔のほてり感がある
- 顔の皮膚に広範囲で毛細血管拡張性がある
- ニキビができていることによる赤み(ニキビ痕の赤みではありません)
- 過去にアトピー、酒さ、酒さ様皮膚炎になったことがあり、その影響で顔が赤い(現在は顔面に症状がない)
改善の可能性はあるが、レーザー治療の効果の評価は患者さんの主観が主となるもの
- 運動をすると顔が赤くなる
- サウナや入浴をすると顔が赤くなる
- 寒暖により顔が赤くなる
- 飲酒により顔が赤くなる
- 緊張したり泣いたりすると顔が赤くなる
レーザー治療をおこなっていない症状
- トレチノインまたはレチノール配合化粧品を使用して赤くなっている
- ダーマペンやダーマローラー、ピーリングや各種レーザー治療をして赤くなった
- 現在、酒さや酒さ様皮膚炎、その他皮膚炎の症状があり顔が赤い
- ニキビ痕の赤み
5.料金
以下をご覧ください。
6.診療の流れ
● 治療までに2回以上のご来院が必要です。当院は方針として、全てのレーザー治療、美容施術において初診での来院時に治療をおこなうことはありません。改めてご来院いただくこととしております。赤ら顔の場合、レーザー治療前にスキンケアをおこなう方が良いと医師が判断した場合、レーザー治療は後になります。
● 過去に当院にて初診・初回相談または治療をお受けになられたことがある患者様において、初診または最終治療のいずれか直近の日付から1年を経過している場合、再度初診の診察から治療開始または治療再開となります。
予約
診療はWEBからの完全予約制です。クリニック受付ならびにお電話では『院長外来』の予約の受付はいたしておりません。
「予約サイト」へいき、選択メニューボタン
から 「「赤ら顔」のご相談 を選択ください。
初診・初回相談(来院1回目)・再相談
- 赤ら顔の治療をご希望の方は、先ず『院長外来』の診察にご来院いただいております。診察時に診断と治療方法の説明をおこないます。
- 前回相談日ならびに前回治療、レーザー治療から1年以上経過している方は、再度診察(再相談)が必要です。
- 当院は方針として、診察と治療は同時におこなっておりません。レーザー治療までに最短2回のご来院が必要ですが、レーザー治療前にスキンケアをおこなう方が良いと医師が判断した場合、レーザー治療は後になります。レーザー前にスキンケアをおこなっていただく方は多いです。お顔の状況がよくない状態(皮膚の菲薄化、摩擦による皮膚炎、過剰は皮脂、くすみなど)でレーザーを照射しても効果が乏しいためです。
- 必要時、診察前に洗顔または部分的な洗浄をお願いしております。範囲が狭い場合は、診察室でお化粧を拭き取らせて頂くことがあります。
- 当院では、個包装のメイク落とし、洗顔料、化粧水、乳液、日焼け止め、使い捨てタオルとヘアバンドをご用意しております。診察後にお化粧直しをご希望の場合は、患者様ご自身にてご用意願います。
- 診察・診断をおこない、医師が赤ら顔の治療について説明いたします。
レーザー治療(後日)
- 初診・初回相談・再相談の後に皮膚の状況がレーザーに適している状況でレーザー治療が可能となります。
- 治療は自費診療です。レーザーフェイシャルまたはVフェイシャルの施術は看護師が行います。
- レーザーフェイシャルまたはVフェイシャル治療は完全予約制です。ご予約はクリニック窓口、お電話で承ります。2回目以降からはLINEでのご予約もご利用いただけます。
- 初回治療の受付時に署名済みの説明同意書をご提出いただきます。※2回目以降の治療の方、前回治療と治療方法、治療後の処置が変更のない方は不要です。